【管理栄養士監修】癌を予防する食生活とは?

母が大腸癌で70歳で亡くなっています。私の家では祖父は悪性リンパ腫、祖母も乳癌だったのでいわゆる癌家系だとは思うのですが、現在45の今、健康診断では肥満(メタボ)でも毎年ひっかかるようになってきたので心配です。

癌になりやすい家系のように確かに遺伝的要素は存在します。しかし一番の問題は、食習慣や生活習慣が代々似ているということです。食習慣、生活習慣を見直しにより、癌になりにくい体質に変えることは可能です。

適正体重と内臓脂肪をみる

特にBMIが一般的な指標として使用されますが、体脂肪の分布や内臓脂肪量も考慮されるべき要素です。

肥満は、がん、糖尿病や心血管疾患などのリスクを高めるため、体重の管理が重要です。

現在体重は適正体重を維持していますか?

BMIは、体重と身長から算出される指標で、次の計算式で求められます。

WHO(世界保健機関)は、BMIに基づいて以下のように肥満を定義しています。

体重(kg)÷身長(m)2

  • 18.5未満:低体重
  • 18.5〜24.9:普通体重
  • 25.0以上:肥満

ただし、BMIでは体重が標準範囲内であっても、体脂肪の分布や内臓脂肪量も考慮しなければなりません。

体脂肪率が高く、内臓や筋肉の間に過剰な脂肪が蓄積されていれば隠れ肥満となります。

■低体重も癌発生のリスクに

BMI値が16以下になってくると優位に免疫力が低下し、体温も下がってくるため(癌は低体温を好む)注意が必要です。

低体重の方は、運動量が少なく筋肉の少ない方が多いので、最初は無理のない範囲で少しずつ活動量を増やし全体の食事量を増やしていくことが重要です。

お腹周りは内臓脂肪の蓄積です

内臓脂肪型肥満の評価に使用されるのがウエスト周囲径(お腹周り)です。メタボリックシンドロームの診断基準としては特に重要視されています。

  • 男性:85 cm以上
  • 女性:90 cm以上

内臓脂肪が増えてくると善玉物質の分泌が低下し、癌、心疾患、糖尿病、動脈硬化などの発症危険性が優位に上がっていきます。

BMIだけでなく腹囲も健康診断で必ずチェックしてくださいね。

加工肉・加工食品を避ける

普段ベーコンやハム、ソーセージなどの加工肉をどのくらい食べていますか?

これらの加工食品は保存性を高めるために沢山の添加物や保存料などが大量に使用されています。

特に加工肉は発がん性が指摘されており、極力食べないことに越したことはありません。

世界保健機関(WHO)は、加工肉を1日50g(ソーセージ1本程度)摂取すると、大腸がんのリスクが約18%増加するとしています。

年に数回食べるくらいならそこまで神経質にならなくてもよいとは思いますが、日常的にカフェなどでソーセージ入りのホットドックやBLTサンドなど食べていた方は、今後はなるべく控えたほうがよいでしょう。

精製食品を控える

糖質制限が流行ってからは、糖の取りすぎが様々な疾病の原因になっていることはご存知かと思います。

ただ、糖質制限といっても何でもかんでも糖質が悪というわけではありません。

糖の種類には単糖類、二糖類、多糖類と分けられます。

単糖類は、主にブドウ糖や果糖などを言います。食材では果物やはちみつに多く含まれています。

二糖類は主にショ糖(主に砂糖)、乳糖、麦芽糖などです。

多糖類は、米などの穀類や芋などのでんぷんが主成分となります。

糖質の中では、多糖類が最も血糖値の上昇が緩やかで、次に二糖類、単糖類(最も血糖値を上げやすい糖)となります。

血糖値の上昇では一番緩やかとされる多糖類でも、精製した小麦や白米は血糖値を上げやすく、食物繊維の多い玄米や雑穀ご飯になるとより緩やかになります。

今回避けてほしい糖質は精製した白い食べ物(白米や小麦、白砂糖)です。

甘いものは別腹と言われる方が多くいるように、砂糖は特に中毒性が高いものです。

ご飯は一食あたり茶碗1杯(150g)を目安とし、その他の菓子類や小麦製品は嗜好品として時々楽しむ程度の量にしておくとよいでしょう。

体質によりますが、1日1杯、主食を玄米ご飯にするだけで大幅に食物繊維の量をUPさせることができます。

食物繊維の多い食事をとる

炭水化物には、人の消化酵素で分解されるものと分解されないものがあります。

人の消化酵素で分解できる炭水化物を糖質(ブドウ糖や果糖など)と呼びます。

人の消化酵素で分解できないものが食物繊維です。

食物繊維は人の消化酵素では分解ができないため血糖値をあげません。

■食物繊維をとるメリット

善玉菌を増やす

 食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えることで、腸の免疫力が向上し、発がん性物質を抑制します。

短鎖脂肪酸の生成

善玉菌が食物繊維を発酵させると「短鎖脂肪酸」という物質が作られます。

この短鎖脂肪酸は、大腸の粘膜を保護し、炎症を中心に働くため、大腸癌のリスクを軽減する効果が期待されています。

例えば普段、白米を食べているのであれば、ご飯を玄米、雑穀米、胚芽精米などに変えるだけでも大幅に食物繊維の量を増やすことができます。

水溶性食物繊維を摂りすぎると、便がゆるくなり下痢になりやすく、不溶性食物繊維を摂りすぎるとカサが増しますがお腹が張り便秘を悪化させる可能性があります。

現在の自分の体調をみながら、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスをとっていくことが大切です。

彩りのよい野菜で抗酸化ビタミンをとる

彩りの良い食材には抗酸化物質【ビタミンC、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンE】が豊富に含まれています。

これらの抗酸化ビタミンは、体内で発生する活性酸素(フリーラジカル)を中和し、細胞を酸化ストレスから守る役割があります。

またDNAの損傷を防ぎ、がん細胞の発生や成長を抑制する働きがあります。

日頃から赤・黄・緑と彩のよい野菜を入れることで、栄養のバランスも自然とよくなりますね。

まずは旬のものを中心に、色とりどりの野菜を取り入れてみてください。

日々の運動は癌を予防する

過去の研究データからは運動することで癌のリスクが大幅に低下することが示されています。

体の中には毎日5000個ほどの癌細胞が生み出されていると言われています。

体が健康な状態であれば、免疫細胞(リンパ球)ががん細胞を攻撃して死滅させてくれるのですが、ストレスなどによって免疫の働きが弱くなり、排除が行えなくなるとがん細胞はどんどん増殖していきます。

日頃から運動することで免疫細胞であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)やT細胞の働きが活発になり、がん細胞の増殖を抑える効果が期待されます。

■手軽に始められるウオーキングがおすすめ

ウオーキングのような有酸素運動を行うと血流が促進され、全身に酸素と栄養が効率よく供給されるようになります。

がん細胞は低酸素状態で成長しやすいので、運動によって酸素供給が改善されると、がん細胞が増殖しにくくなるのです。

運動は、体重管理・ホルモンバランスの調整・免疫機能の向上・炎症の軽減・腸内環境の改善など、癌の予防に大きな効果が期待できます。

1日30分のウオーキングからでも免疫細胞が上昇すると言われています。

無理のない範囲で継続していきましょう。